「先生、私の靴がありません。」「先生、消しゴムがなくなりました。」
と、子どもから訴えがあることがあります。
子どもたちは、よく物の管理ができず、物をなくすことがあります。
子どもたちは、ほんの軽い気持ちで、友達の靴を隠すことがあります。
子どもたちは、我慢できず、友達の物を捕ってしまうことがあります。
子どもの物がなくなることは、いつでも、どこでも起きる出来事です。
教師としては、ついつい、うっかり、目の前の忙しさに心を奪われて、見逃してしまうことがあります。
私は、よく校長先生に、
「先生、来年度は学級がうまくいかなかった学年を持ってもらいたい。」
と言われて、学級崩壊をしたクラスを受け継ぎ、立て直しをしてきたことがあります。
経験して分かったことは、荒れる学級の共通点は、靴隠しがあったり、物がなくなったりして、指導するべきタイミングを見逃してきたところがあるということです。
つまり、靴隠しや物がなくなることは、学級が荒れ始める危険なサインだということです。
だから、子ども達が「先生、○○がありません。」と言ってきたときは、指導する絶好のチャンスだと思って、問題を解決していく必要があります。私は、以下のように対応してきました。
現場ではよく物がなくなったときに、「犯人捜しはいけない。学校は警察とは違う。」と言われて、指導することに躊躇する先生がいます。
だからこそ、私は言いたいです。
「私は、犯人を捜してただ怒ることが目的ではありません。
子どものSOSを受け取って、子どもを助けるために指導するのです。
やり方を間違うから、犯人を捜して、犯人が見つからず、嫌な雰囲気だけが学級に残 ってしまうのです。全ては、教師の指導力の問題であります。」と・・・。
学級で、物がなくなるタイミングは、先生が子ども達と真剣に向き合い、勝負しないといけない場面だと思います。学級集団にできた小さな一つの穴を見逃すと、そこが原因となって必ず崩れていきます。一度、物がなくなり、指導のタイミングを見逃すと、必ず、また次に、誰かの物がなくなり、学級が不安定になっていきます。
これが学級崩壊への負の連鎖になっていくのです。
私は、今まで物がなくなったまま学級を終えたことがありません。
すぐに見つかることもあるし、秋から冬にかけて長期化したこともあります。
しかしながら、学級が終わるころには、必ず見つかります。
それは、物を隠したり、物とってしまうことは、その子の最大のSOSだからです。
子ども達は、どの子も、自分を見てほしい。分かってほしい。助けてほしい。と強く思っています。だから、教師が諦めなければ、必ず問題は表面化してきます。
私の学級において、物がなくなる出来事は、たくさん起こりました。
私自身、物が見つかったときに、子どもへの個別指導や保護者に対してどう対応したかは、ケースごとに伝えたいと思います。
ピンチはチャンスです。
物がなくなるという問題(ピンチ)は、
SOSを発している子どもに関わる機会(チャンス)です。
ピンチをチャンスにどれだけ変えられるかが、教師としての腕の見せ所だと思います。
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